訴訟・紛争解決(中小企業・会社員向け)

【このような方へ】
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取引先が売掛金や請負代金を支払ってくれない
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継続的な取引を一方的に打ち切られた
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納品した商品・サービスの「不良」を理由に支払を拒まれている
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競業行為や秘密情報の持ち出しにより損害が出ている
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労務・ハラスメント関連の紛争が訴訟に発展しつつある
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個人として、身に覚えのない請求や保証債務をめぐるトラブルを抱えている
当事務所では、中小企業・会社員の方の訴訟・紛争について、訴訟前の交渉段階から、訴訟、和解、強制執行に至るまで一貫して対応しています。
1 訴訟手続について
訴訟(裁判)は、裁判所に対して
「この紛争について、法律に基づいた結論を出してください」と正式に求める手続です。
裁判所という中立の機関が、証拠に基づいて事実を認定し、法律に照らして
「誰が」「いくら」「どのように責任を負うか」を最終的に決めるという性質から、
話し合いで解決できなかったビジネス上のトラブルの「最後の解決手段」として位置づけられます。
一方で、訴訟には時間・費用・人手がかかり、
経営者・担当者の心理的負担も軽くありません。
訴える側でも、訴えられた側でも、慎重な検討と相応の覚悟が必要な手続です。
2 ネット情報に頼る危うさ
トラブルや困りごとが起きたら、まずインターネットで
「似たような事例」「同種トラブルの解決方法」を調べることが多いと思います。
しかし、
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トラブルごとに、契約書の有無・内容、メール・チャットのやりとり、取引の経過、社内の意思決定フローなどの事情は少しずつ異なります。
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その少しの違いが、裁判では結論を左右することも珍しくありません。
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ネット上の情報には、法的に正確でない解説や、特殊な事案を一般論のように紹介しているものも含まれます。
そのため、
「ネットで見たケースと似ているから、自社(自分)も勝てる(負ける)はずだ」
といった決めつけは、リスクが高いといえます。
3 中小企業・会社員に多い訴訟の場面
中小企業や会社員の方からのご相談で、訴訟を検討する典型的な場面としては、例えば次のようなものがあります。
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売掛金・請負代金の未払い
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継続的取引の一方的な打ち切り
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納品した商品・サービスの「不良」を理由とする支払拒絶
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競業行為・秘密情報の持ち出しによる損害
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取引先や従業員との間の労務・ハラスメント関連の紛争
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インターネット上の口コミ・SNSでの中傷による信用毀損
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個人として身に覚えのない請求・保証債務のトラブル
まずは交渉、内容証明郵便の送付、社内での是正対応等により解決を試みますが、
話し合いでの解決が難しい場合、訴訟を視野に入れた対応が必要になります。
4 「何もしない」という選択と、そのリスク
経営者、担当者あるいは当事者として、トラブルが発生した際に
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「コストもかかるし、様子を見よう」
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「あえて動かないほうがいいのではないか」
という判断をされることもあると思います。
「何もしない」というのも、確かにひとつの選択肢です。
しかし、訴訟・法的紛争の文脈では、次のようなリスクがあります。
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訴えられたのに何もしない場合
→ 相手の主張がそのまま認められ、本来であれば争えたはずの部分まで判決で確定してしまうことがあります。 -
時間が経つほど証拠が失われるリスク
→ メール・チャット履歴、社内稟議データ、当時の担当者の記憶など、有利な証拠が後から出せなくなることがあります。 -
時効による請求権の消滅
→ 正当な売掛金等であっても、一定期間が経過すると法的に請求できなくなる場合があります。
「動くべきでない」ケースもありますが、
何もしないことが本当にプラスなのかは、法律と証拠の観点から検討しておく必要があります。
5 「どうにもならない」との決めつけについて
ビジネスの現場では、次のようなお悩みをよくうかがいます。
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「口頭やメールだけで契約書を作っていないので、請求は難しいのでは」
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「契約書にこう書いてあるから、泣き寝入りするしかないのでは」
しかし、
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契約書がなくても、メール・発注書・請求書・実際の取引状況から「契約は成立している」と判断されることが少なくありません。
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逆に、契約書があっても、消費者契約法や労働基準法などの法令に反して取決めが無効となる場合があります。
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取引慣行・信義則といった観点から、契約条項どおりの効力が無いこともあります。
「契約書がないからダメだ」「契約書に書いてあるから諦めるしかない」と決めつけてしまう前に、
一度法律的な評価を弁護士にご確認されることをお勧めします。
6 弁護士に依頼するメリット
訴訟手続そのものは、ご本人だけで行うことも制度上は可能です。
しかし、実務上は、次のような点で弁護士に依頼するメリットがあります。
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裁判所が重視する事実・証拠を整理し、勝ち筋・負け筋を含めた見通しを立てることができる
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訴訟にかかるコスト(弁護士費用・時間・人的リソース)と、回収見込み・評判への影響などを踏まえて、妥当な選択肢を選ぶことができる
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和解による早期解決を含め、「どこまで譲るか」「どこは譲れないか」を明確にし、交渉を進めることができる
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経営陣・社内への説明資料を作成する前提として、法的リスクと選択肢を整理することができる
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相手方・裁判所とのやり取りを弁護士が担うことで、担当者・当事者の負担や社内の混乱を抑えることができる
訴訟は、単なる争いごとではなく、
リスク管理・ガバナンスの一環として位置づけることが重要です。
7 ご相談のタイミング
次のような段階でご相談いただくことが多く、またお勧めでもあります。
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取引先との交渉が行き詰まり、お互いに訴訟が視野に入ってきたと感じる段階
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内容証明郵便や、代理人弁護士名での書面が届いた段階
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突然、訴状や支払督促が届いた段階
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社内で対応方針を決める前に、法的なリスクと選択肢を整理したい段階
早いタイミングでご相談いただくほど、
とりうる選択肢の幅が広がり、コストも抑えやすくなる傾向にあります。
8 当事務所の対応
当事務所では、
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売掛金回収・取引先との紛争
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企業間トラブル・取引解消をめぐる紛争
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従業員・元従業員との紛争(未払残業代請求等を含む)
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インターネット上の中傷・信用毀損
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そのほか企業活動・個人の生活に関わる民事(個人の場合は家事も含む)訴訟全般
について、訴訟前の交渉段階から、訴訟、和解、強制執行に至るまで一貫して対応しています。
「本当に訴訟に踏み切るべきか」「訴えられたが、どこまで争うべきか」「社内でどう説明したらよいか」といった点も含めて、
経営上・生活上の事情を踏まえた現実的な解決策を一緒に検討していきます。